ダイナミックコード アッポリVita版の感想
今回はDYNAMIC CHORD feat.apple-polisher V editionの感想を自分のメモ用に書いた記事になっています。
PC版に加えて、共通シナリオが2つ・個別シナリオが1つずつ追加されているところが特徴ですね!(今回は本編の感想ですけど!)
【通常版】DYNAMIC CHORD feat.apple-polisher V edition - PSVita
- 出版社/メーカー: honeybee
- 発売日: 2018/06/28
- メディア: Video Game
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例のごとくネタバレを含む上にアッポリ以外は遊んだのが1年前ほどなので、記憶があやふやな部分も多く、間違ったことを言っているかもしれませんがご了承ください。
「成海→忍→有紀→夕星」の順で進めていきました。
成海が初回であれば特に他は攻略順気にしなくていいかな〜って印象
(攻略制限かかっているので、有紀と夕星は後ろに回さざるを得ませんが)
一応プレイ前の印象も書いておきますね
成海:ルートの情報はほぼ無し、玲音ルートではめちゃくちゃいい男だったな〜
夕星:首絞め?があるとかなんとか、あと耳がどうのこうのとかあやふやな情報 多分こういうキャラは自分の好みタイプだろうな…
有紀:BADで自殺、家庭環境が良くないらしい、レイプ許さないマン 結崎バリの地雷
忍:BADで料理人になる、成海に振られて慰めックスに至ることは知っている
なんとなーく、夕星好きそうだな〜ってくらいで他はそんなに琴線に触れなさそうというのがアッポリの第一印象
まあ第一印象イマイチなKYOHSOが好きになっているくらいなので、あんまりこういうのはアテにならないよね
というわけで以下から個別ルート本編の感想です↓
箇条書きなので見にくい!
成海ルート
言われていたほどそんなに成海ファンクラブ感はなかったかな
初期作のレヴァフェと比べると話の構成が丁寧だと思いました、キャラ構築がきちんとされているというか伏線の張り方が上手いというか
主人公が成海に与えたものを成海を通じてメンバーに与えていくという形はキレイだし予定調和だなぁと 物語としてまとまりが良かった印象です
言うまでもなくアッポリは成海中心のバンドなので、周りが成海のことを思う気持ちとかも良かったですね
“成海ルートの”夕星と有紀はめちゃいい男でしたね…夕星好きになっちゃう…
周りを取り囲む人といえばグリララもいいにーちゃんでしたね…諸星翼…好きになっちゃう~~まぁ向こうに全く気が無さそうなので難しそうですけどね
玲音、菫、歌奈も良い人ばかりでよかったです
玲音ルートが正史の世界なので、理緒を想っていた成海に対する玲音の気遣いがね…れおぴは成海のことなんだかんだで好きなんですね…
話?シナリオとしてはLiar-S編と近い印象 特に千哉ルートか宗太郎ルート バンドの問題をちょっとずつ解決していくのが似ている気がしました(記憶があやふや)
個々人の問題は個人ルートでは主人公が解決していくんでしょうか、掘り下げ楽しみです
海への逃避行は朔良と久遠を想起させますが…まぁその辺は引き出し的にね…
成海のパーソナリティについては玲音ルートにおける「めちゃくちゃいい男」という印象とは違い、きちんと弱さや葛藤が描かれていたのが良かったです
まぁウジウジしたり自分に自信が持てない、一歩踏み出すことへの恐怖といったことについては亜貴宗太郎篠宗あたりと被る印象(全員追加攻略対象ですね…)
まぁカウンセリングゲーと化してしまうのは乙女ゲームである宿命だし、DCは特にその気が強いのかもしれないが、まぁそれはそれで慣れてしまえば気にならないって感じ
一度エンジンがかかれば力強く進めるってのも成海の長所だと思うので、アッポリを救っていく成海のカリスマ性はDCのボーカルやなぁと思いました
しかし成海は男の子だから女の子はどう~みたいな言い方が多いですね 別に男尊女卑とかではないけど…逆に紳士なんだろうな~
というかBADがBADとは?って内容で困惑してしまった…救いがあるぞ…
忍ルート
あ~~~~~~黒沢忍さんすき…
こんなん好きになっちゃうよぉ……
ひたすら忍が可愛かったって感じでしたね…
テーマが「曲作り」というだけあり、主人公と忍の共通の悩みから仲を深めていく、みたいなのはありきたりだけど説得力があったと思う
やっぱり同業者であるからこその強みはあるよね…どのバンドよりもアッポリは「音楽」に主眼が置かれているので、歌手っていう立場がベストなんだろうな
たぶんKYOHSOみたくマネって立場では成立しないシナリオですよね…たつおの介入が薄いのがな… 加賀に比べたらまだ優秀なのかもしれんが
成海へのアタックに協力して~ってのも王道ですね
まぁなんだ、成海に振られた後の行動はまぁ…でも成海BAD見ると美羽ならやりかねないって感じではある
成海と同じく自分に自信がないという忍を勇気づける美羽はやっていることは同じであれ、彼女らしさを感じましたね
そもそも彼女が歌手をやっているのも(成海に与えられた歌が好きという前提に加えて)自分の持っているものを他人に分け与えることで勇気づけたいという目標ありきだと解釈しているので、主人公の性格に一貫性があるのは良いと思う
毎回思いますけどDCの女性キャラは強い人が多いな…(かのかさん?極悪人ってほどではなかったが(紗那がいるので…)怖かった…)
あとは、個人的には主人公の歌手としての悩みを忍が話聞いて解決するって展開も嬉しかったですね
成海ルートでは割と一方的だった気がするので
お互いがお互いを支える関係が良いなぁと思いましたし、成海√で主人公側の活動がトントンで「そんな順調でええんか?」ってなったので彼女の葛藤も見られたのはよかった
臆病な忍と相手の心にズカズカ入っていける美羽
顔に出にくい忍とすぐ顔に出る美羽
頼られることが好きで甘やかし上手な忍と意地っ張りだけど甘えんぼな美羽
正反対だけど相性がいいってのはそういうことなんでしょうな…しのみう?いいっすね、好きです
周りの描写についても
今回は黒沢先輩ということで有紀がカッコ良かったですね…ホント芹とは違ってアシストは上手い男だ
あとはグリララ兄さんは今回はコメディリリーフって感じだった みんな美羽が好きなんやね
有紀ルート
あ~~面白かった!
正直めちゃくちゃ身構えてやってました いつコイツ死ぬんだろうって
事前情報が疎らなせいでわたし自身が驚くポイントが変だったような気もするけどまぁそこはそこで
手のケガは知らなかった(まぁジャケ絵?でなんとなく示唆されていたが)のでいきなりでビビったけど、絶対コイツケガ治らなかったら(=ギター弾けなくなったら)死ぬんだろうな…と思っていたので逆にED4?はビックリした
どーしても結崎芹と青井有紀を比べてしまうな…
なんか元カレの面影を今の彼氏に探すみたいな気持ちになる
いや、彼らについては言動とか女性への態度とか類似していて根幹は正反対ってのが面白いですよね
有紀はクズの理由に家庭環境が言い訳として使えるけど、結崎は全く使えんってのがまた…
というか有紀はfeat.Liar-Sとかfeat.KYOHSO見たら吐くか先輩ら殴るかするんちゃう?
家に連れ込んでおいて(行きたがったのは美羽だが)何もしなかった時はホント拍手喝采しようかと、KYOHSO編なら絶対ヤってたぞ
そこは置いておいて、有紀のEDがどれもそんなに悪いとは思えず、結崎はGOODでも「かわいそう」な状況になってしまうのは、結崎が子供で有紀が大人だってこと(余裕の有無が違いすぎる)、何しろ成海・忍といった理解者がいるかどうかって部分が一番大きいんじゃないかと思いましたね
(まぁそもそも前提が違いすぎるってのは置いておいてね!)
状況を理解した上で叱咤してくれる人の存在って大事で、せりになに対して檜山朔良は違和感に気付いていたけど(主人公へ)手を差し伸べることもあったが芹に対してアクションすることはなかったし、あれでも弁えた大人なので適切な距離感を保ったまま静観するんですよね
一方でゆけみうへの成海は彼らしくまっすぐガツンと有紀に対してぶつかってくれるのは非常に気持ちがいいし、ヘンに拗れる原因を作らなかったってのは見事だと思った
美羽もそうだけど、こういう若さゆえの賢さ、子供ゆえの大人っぽさっていうのを出せるキャラっていうのは貴重なので正直成海の株が1番上がったのは有紀ルートですね…
黒沢忍さんも彼のルートの時以上に感情的だったのが面白かった、本当に他人を思いやれる人なんでしょうね ステキ
ま~ED3?は彼にとっても美羽にとっても有紀の死は衝撃だったし(パワポケ10じゃん)、お互いの穴を埋め合う的な意図も背景も心理的にめちゃ分かるんですけどね…
髪切った黒沢忍が出てきた時にまさかとは思ったけど、マジでまさかでビックリでしたね…
わたし個人の見方としては死ぬまでは全然精神的に平気だった(鎮魂歌がto you.なのと演出で笑ってすらいた)んですけど、死んだその後見せられるとね~ウッってなってしまったね…でもめちゃくちゃBADかって言われたらそうでもないと思うんだよな…
まぁ有紀的にはどうなんだろ、図らずも息子が自分と同じような出自になってしまうわけだけど…強姦じゃないからいいんだろうか 黒沢夫妻はどっちも愛情持って育ててくれそうだけどね
というわけでわりとアッポリのBADは救いある方だなぁと思ったぞ
KYOHSOが1番キツイし、レヴァフェもBADはそこそこ…まぁ亜貴が問題なんだけど
有紀個人にスポット当てるのがな…ちょっと難しいんですけど
だって性格はゲームで語られているままなんだもん!こっちが考察する余地なくない?
あ~でも自分の気持ちに無自覚で不器用ながらに美羽にアピールするところとか、嫉妬するところとかは可愛いって思っちゃうね
嘘つくときに敬語になるのもかわいい
不器用なのに器用なフリをする男は良いなって思っちゃう…
いやしかしホント君は美羽がいて良かったね!彼女じゃなきゃ君は救えなかったぞ…
ほーんと美羽の包容力?と有紀への理解・共感みたいなのはすごいと思った(こなみ)
というかやっぱりこっちでも「音楽」「曲作り」っていうのはテーマになっていてヒロインが美羽…歌手である意味みたいなのが存分に発揮されていて良かったですね
そりゃあ音楽第一の音楽バカに寄り添えるのは同じく音楽を愛する者だけですよね
いや~美羽はいい性格してますね 語りがウザい時があるが(ライターの癖か?)ホント好きですね 性格はヒロインの中でいっちゃん好きかも
まぁ成海ルート経ていると気持ちの移り変わりが急かもしれないけど、ある程度恋に落ちた瞬間ってのは分かったし、そこまで違和感もなく入り込めたので私的には全然OKでした
あとは個人的にトリックスター音石夕星も評価したいですね
ホント私はこういうポジションのキャラ好きね…
夕星の誰よりも周りを見ているところが…好きになってしまうな……
いや~ホント今のところ夕星は株上げてしかいないので個別ルートでどう下がるのか見ものですね
玲音もなんだかんだでよく出てくるのもいいよね~~というかラストの有紀成海玲音で玲音が女について偉そうに語っていたところで笑ってしまったけど、こん中じゃ1番先に好きな人と結ばれているのも玲音なのがね 玲音パイセン…
夕星ルート
ウッ……すき…
正直ダイナミックコードで1番完成度高いシナリオだったと思う 贔屓目と時間補正があるかもしれないけど
伏線の張り方回収の仕方無駄のない展開、設定の拾い方の上手さどれを取っても満点あげたくなっちゃいますね…
話としてこう…
・音楽か生命か
・過去との決別
・姉との関係性
・初恋の終わらせ方
あたりを夕星と美羽の両者にスポットを当てて解決していったのは見事
忍のときも言ったかもしれないけどDCってどうしても「彼の抱える問題を解決するヒロイン」ってところに主眼が置かれがちなんだけど、「ヒロインとアーティスト共通の問題を互いに別軸ながらも助け合う」って視点に切り替えられたアッポリ編は毛色が違って素晴らしいと思う
美羽が美羽である意味っていうのが強く出ていて良いと思います
あと「引っ込み思案だった」とか「両親を亡くしている」とか美羽の掘り下げが1番されているのも夕星ルートっていうね…ヒロインに愛着が湧いちゃうよね
難点をつけるとすれば、美羽の「音が聞こえる」設定は少なくとも共通ルートで暗示して欲しかったかな
夕星は成海ルートでも描写があったけど、美羽の描写は出てくるまで皆無だった気がするので都合のいい後付け設定って感じがしてしまった
あとは無慈悲に怪我をする虎くん…風羽ネキがちょっとかわいそうだったけど、まぁシナリオの展開上仕方ない…のかな
有紀とか忍とかは個別ルートでカッコ悪くてかわいい部分がかなり見られるのに対して、夕星は最後まで格好良さみたいなのが保たれていたのがズルいですね…
告白シーンとかロマンチックすぎるもん…ズルい男だ ほんとに
あとCM撮影とかもね!シチュエーションがまずズルいわ!
しかもさ~~普段は悪態ついてるのに優しい時はめっちゃ優しいのもさ~~ギャップがさ~~~~
ケンカップルのオタクなので本当にといみうみたいなのに弱い めっっちゃ好きだもん…こういうん…
あとは月とか星とかが描写として頻繁に使われていたのも印象的でしたね
星は夕星で太陽は美羽のことなんだろうが
(有紀ルートでは月が有紀、太陽が成海と美羽かな?*1 )
EDは4つ全部が星関係のサブタイトルなんだよね~~ステキ
夕星ルートはシーン名が全部英語で一貫してましたね めっちゃググった
月夜夕星と来ているのでその下に子供が生まれたらたぶん朝日とか名付けてそうだよね夕星の親
あと…暁空とか雪とか雲とかも使えそう
あと!たつおが1番輝いていたのも夕星ルートだったと思う
いや~~いいやつですね…たつお……
夕星に普段悪態ついてますけどなんだかんだ仲が良いのがいいよね…メンバーが感情をストレートに表さないからたつおがその役割を担っていると考えると…
有紀ルートもそうだけどたつおは頼りにされているんだなぁってのがいざという時に分かるのがいいよね
朔良ルートとか優ルート、依都ルートが好きな人は好きなんじゃないかな 夕星ルート
アッポリ総括
アッポリはテーマが明確なのが良かったと思う
どのルートにも共通する項目として、
・初恋との決別
・音楽(歌・作曲・音楽・音)との向き合い方
・過去と相手を受け入れる
みたいなのは一貫していた気がする
美羽自身も同様の問題を抱えているってのも大きくて、共通項から掘り下げていけるのが本当に強い
マジでアッポリのゲームを面白くしている要因として「主人公が柊美羽である」ってところがめちゃくちゃ重要だと思っていて、美羽の強気な部分と突き抜けた真っ直ぐさっていうのが物語のテンポを良くしているんじゃないかな
読んでいていっそ清々しいものね
我慢しいな理緒や芯は強いが懐の深い仁菜とはまた違った個性のある主人公でしたね
このはが1番性格的には近そうかな?
あとは、攻略対象それぞれに似ている共通点を持たせているのも上手いと思った
成海とは真っ直ぐさ・ひたむきさ、初恋と折り合いをつけられていないという問題
夕星とは意地を張る気の強さ、音・姉の存在
忍とは優しさと臆病さ、作曲に対する悩み
有紀とは素直じゃないところ、成海や音楽に対する思い
といった感じで必ずどこかしらで「美羽と誰は似てるよな~」みたいな描写が挟まれていた気がする
ダイナミックコードらしさは残しつつも、四作品目ということもあってシナリオの完成度も高く、キャラ設定も練られていてノベルゲームとしてはものすごくクオリティが高かったと思います
(レヴァフェのV edition発売二ヶ月後にアッポリPC版が発売している事実が衝撃的)
feat.Liar-Sが今までゲームとしての総合評価は個人的にNo.1だと思っていたんですが、feat.apple-polisherはそれに並ぶくらいには良かったと思っています
個人的には(青井有紀ルートが好みだったのと音石夕星が好きになったのはもちろん)黒沢忍さんの株が上がったのが意外でした…が、全キャラいいなーと思えるくらいには本当にシナリオがよかった!
EDとかシナリオ内容もそこまでエグくなかった(ダイナミックコードに慣れて麻痺してしまった弊害か?)印象なので、そんなに身構える必要ないんじゃないかな、あくまで個人の感覚だけど
というかBADに救いがある分アッポリは優しいんじゃないか?とすら思えてしまう…
まあただ言われている通り、絵はちょっと気にする人は気にするかな…ってところはマイナスポイントではあるかな
(Liar-Sも[rêve parfait]も追加スチルは絵アドひどいのありますけどね)
PC版からマイルドにされている表現もあるんでしょうが、Vitaで追加されたシナリオも良い(特に青井有紀シナリオが好きです)ので、ぜひV editionも買ってみてね
アッポリシナリオが期待以上に中身が良かったので全人類に勧めたいと思い、記録を兼ねて書いてみた記事でした〜
またダイナー熱が再燃したので色々履修し直したいと思いました!以上です